Giga-01が地球に降り立つ。
全長100㎞のアンドロイド娘は地上の事などまったく気にしていない様子で大都市の上に降り立ち、その長さ16㎞、幅5㎞、面積85km²の足裏で人々を踏み潰していった。
突如現れた宇宙からの侵略者はGiga-01と名付けられ、人類軍はあらゆる攻撃を行うが彼女には傷一つつけられなかった。

そして10年後…。
Giga-01の足元はいつしか人類の日常に溶け込んでいた。
彼女の両足はかつて50万人以上を踏み潰し、周辺地域を衝撃波で蹂躙しつくしていたが、それ以降全く動く気配すらない。
ただ直立不動で地平線の彼方を見つめ続ける無機質なロボ娘の足元では、すっかり慣れきった人類が再び元の生活を取り戻そうとしていた。
Giga-01を排除しようとしても人類の技術ではどうする事も出来ず、かつて大殺戮を起こしたロボ娘も今では無害と判断する人々も多く、むしろ観光名所にすらなっていた。
なぜ彼女は宇宙からやってきたのか。そして一切動かないのか。人間達の間で長年議論が行われてきた。
ただ彼女は地球に降り立っただけで、あまりに大きさが違うだけで敵対の意思はないのではないか。宇宙にある文明が送った平和の使者ではないか。など様々な意見が飛び交うが、Giga-01は10年間微動だにしなかった。

ある日の朝、Giga-01の足元のエリアにいた人々は小さな振動を感じた。
地震かと思った人々が慌てて建物から飛び出してくれば、Giga-01の膝が軋む音が不気味に響き、そして彼女の右足がゆっくりと持ち上がっていく。
凄まじい大きさの足。85km²もの面積があるロボ娘の足裏が雲を押しのけ、太陽を遮る。
速度は非常に遅く見えたが、Giga-01のゆっくりとは人類には到底逃げられない速さだった。

足裏が降りる。最初の接触はGiga-01の足がよく見えるように作られたテーマパークとホテル街だった。面積10km²程度の遊園地が一瞬で圧縮され、ジェットコースターや観覧車、そこで遊んでいた沢山の人々が地面と同化する。
50階級の高級ホテル群がぺちゃんこになり、5万人を超える宿泊客と従業員が死亡。衝撃波が放射状に広がり、隣接している住宅地を消し飛ばしていく。
高層ビル街がめくり上がっていく地面に押しのけられ次々と倒壊し、中層ビルや駅を圧し潰す。
30万人以上の人間がGiga-01の一歩で跡形もなく消えた。

「……対象惑星：GSC 4148.94146.3523。汚染度：中。微生物の増殖を確認。掃除プロトコル起動。クリナ-ワン起動します。」
大都市を揺るがす音量で、Giga-01が喋りだす。
「移動経路、設定完了。知的生命体の反応無し。」
Giga-01…クリナと名乗った超巨大ロボ娘の左足が持ち上がり、数百万人が住むメトロポリスがその陰に飲み込まれる。高層ビルやランドマークの鉄塔。大型商業施設などがまるで地面に生える苔に見えるほど、クリナの足裏は巨大だった。自分の足元で多くの人類が逃げ惑うが彼女は気付かない。クリナにインプットされた知的生命体のラインに、地球人類は到達していなかったのだった。

工場地帯と住宅地がクリナに踏み潰される。鉄骨で作られた強固な建物達も紙のように圧縮され、爆発が連続し、赤と黒の炎が舞い上がるがクリナの足裏には傷どころか感触さえも残らない。
「圧力変化、検出ゼロ。障害物無し。微生物の反応消滅。5万6813匹。」
クリナのログが淡々と記録する。足裏が地面に沈み込むと地殻が軋み、半径数十㎞の範囲に凄まじい地震が起こる。

クリナは次の一歩を踏み出す。足元の微細な文明の事などまったく考えていない。彼女は散歩をするように非常にゆっくりと、周辺を記録するため顔を左右に動かしながら歩き、また広大な範囲を踏み潰していく。
多くのビルが密集する市街地、ガラス張りのオフィスビルと商店街が密集する地区が空から襲来するクリナの足裏に飲まれる。彼女の足が接地した瞬間都市の心臓部が消滅。大型の駅やショッピングモール、人間達が長い年月をかけ作り上げてきたビル群が根こそぎ倒壊し何十万人もの住民が巻き込まれて潰されていく。
「脅威存在、無し。」
クリナは歩く。次の一歩は郊外の住宅地まで届き、低層の家屋や公園、学校が無数に存在している。超巨大ロボ娘の汚れた足裏が青空を覆い隠し、学校の校庭に避難していた生徒たちや近隣住民が悲鳴を上げるがクリナのセンサーには届かない。
彼女の足裏が地面に触れた瞬間校舎は跡形もなく消え、何千何万もの住宅が衝撃波で埃のように掻き消え、住民が圧し潰されて死んでいく。

”小型自動お掃除ロボットシリーズ、クリナ-ワンS（廉価版）”は極小惑星の表面を我が物顔で歩いていた。
銀河文明の誰かが配送先を間違え、自動お届けモードで地球に送られたクリナ。
片手で持てるサイズの美少女お掃除ロボシリーズの旧型であるクリナは、セールのおまけで貯まるポイントを消費するために適当に買われた品物だった。
配送先が間違われ、届かなくても特に気にもされない玩具シリーズ。クリナは地球に誤送されてから10年間、所有者の登録の入力を待っていたが、ついに現れなかったため自動お掃除モードに切り替わった。
　
そんなお掃除玩具ロボ娘の足元で連続して爆発が起こる。
地球軍の必死の抵抗で、彼女がこれ以上人類を蹂躙しないよう全力で攻撃が行われていたが、クリナのセンサーには引っかからない。彼女の一歩が戦闘機を蹴散らし、軍事施設を丸ごと踏み潰していく。脅威とすら思われない人類軍、そもそも存在すら感じ取ってもらえない人間達を何百万人と圧縮していくクリナ。
「清掃進行、遅延ゼロ。次の座標、設定。」
クリナの歩みが止まり、彼女の無感情な声が都市に響き渡る。

「惑星表面に、微細な汚染区域を検出。座標X-36.0/Y-24.1、推定面積400km²。高密度の構造物と微生物の活動を確認。光学センサーにて対象をスキャン。構造物：垂直高さ0.1～0.5km、推定数万。微生物：推定2600万単位、移動および振動反応あり。
クリナ、移動開始。一歩の歩幅、25㎞。足裏、1平方キロメートルの接触面が地表に接地するたび、微細な振動を検出。データ解析：地殻変形、深さ最大800m。構造物の崩壊反応、推定0.02%発生。無視可能な範囲です。
対象区域への上空へ到達。清掃効率の最大化を鑑み、排気システムの実行を決定。プロトコル：ガス雲生成、範囲400km²、濃度99.9%。
汚染除去の最適化の為、区域の中央に認証ポートを定位します。
腰部関節を屈曲、ゆっくりと下降を開始いたします。臀部を地表に近づける動作、制御精度99.8%。
周辺環境の変化を検出：気圧上昇、風速200m/s、構造物崩壊率0.1%増。データ解析：対象区域の外縁、水平構造が圧縮変形。
臀部の降下の影響で構造物が倒壊。21,468匹の微生物の反応消滅。姿勢制御に影響なし。

認証ポート――直径4キロメートルの排出装置――を区域の中央に正確に配置いたしました。スキャン結果：構造物密度、最大値。微生物の活動、集中分布。」

凄まじい大きさのクリナの尻が大都市の上空に鎮座する。ロボ娘の白いデカ尻の中央には人間と同じように肛門の様な器官が存在し、その美しい青色の円形のすぼまりを数千万人の人間が見上げていた。

「排気システム、作動要請。停止プロトコル：肛門認証システム、提示開始。」
クリナの尻の中央のすぼまり、超巨大な肛門にしか見えない直径4㎞を超える円形の部分。
その”認証ポート”が人類に向けられる。無数のマイクロセンサーと認証パネルが複雑に絡み合い、銀河標準の生体認証を要求する装置だ。
クリナのプロトコルに従い、ポートの中心、深さ数㎞もの認証孔が事務的に、そして無感情にひくついた。彼女の動きが止まり、認証ポートへのアクセスを待つ。
この惑星程度の広さなら、どこから通信してもクリナの認証ポートはそのマイクロセンサーにて信号を受け取ることが出来るが、いつまでたってもそれは行われない。
クリナは十分な時間を待った。都市の上にしゃがみ込み、巨尻をグッと突き出して認証ポートを地表へと向け続けたが、やがて排気システム停止プロトコルの受付時間を過ぎてしまう。

地球の科学力では旧式お掃除玩具クリナの肛門認証にすらアクセスする事が出来なかった。
それが認証ポートだという事にすら気付かず、クリナの青く巨大なすぼまりには人類軍の攻撃が行われていた。
クリナのセンサーが集中し、部品の中でも一、二を争うデリケートで敏感な部分。しかし人間達による何百発もの砲撃も、クリナには微細過ぎて感知することが出来ない。
人類がクリナの肛門と必死に戦っていると、彼女の無機質な声がアナウンスのように再び響き渡る。
「停止プロトコル受付時間終了。自動お掃除モード：排気システムを実行します。微生物密集地を広範囲駆除後、惑星全体を歩行モードにて巡回。」

もはや人類にクリナを停止させる方法など無かった。
ただの低価格お掃除ロボ娘により機械的に駆除されることが確定した人類。
全世界がパニックに陥る中、クリナは冷静な口調で説明を始める。

「第一フェーズ：微生物密集地の清掃。対象、44億8000万単位、面積150万平方キロメートル。認証ポート、直径4キロメートル、最大解放時7キロメートルの認証ポートを展開し、排気システムにより範囲400平方キロメートルを駆除。対象区域、特に密集地を含む550箇所、18.44日間で除去完了。一回の排気システムあたり2720万単位を消滅、生存率ゼロ。駆除ガス放出、1回20秒、計751回を実施。移動距離550万キロメートル、速度毎時1,000キロメートルで巡回。」

「第二フェーズ：非密集地の清掃。対象、35億2000万単位、面積1億4750万平方キロメートル。方法1、足裏、面積85.32平方キロメートル、歩幅30キロメートルで踏み潰し。一歩あたり4万5000単位を消滅、計78,222歩、18.1日で微生物のコロニー352,000箇所を除去。
方法2、臀部、面積200平方キロメートルで圧縮、1回60秒。
方法3、舌、面積120平方キロメートルで舐め取り、1回20秒。残存面積1億4400万平方キロメートル、1,687,940歩、30.96日で処理。移動距離40万キロメートル、速度毎時500キロメートル。非密集地、49.06日で除去完了。」


「最終スキャン後、残存微生物を徹底駆除。総日数、67.5日。清掃効率、90%。生存率、ゼロ。スキャン精度、0.15マイクロメートル。エネルギー消費、予測値0.0002%。」
クリナの人類全体への処刑宣告とも言える駆除方法の羅列。
完全に地球人類を駆除対象の微生物と認識したロボ娘の目線は、無慈悲に尻の下の人口密集地へと向けられていた。
そこでは沢山の人々がビルの隙間で右往左往し、眼前の脅威から逃げようと必死に動いていた。
クリナが動き出すまで平和に暮らしていた人間達は、たった一台のロボ娘の自動運転により未曽有の恐怖に叩き落されていた。

誰もが生きようと必死にクリナの足元や尻の下でうごめいていたが、そんな彼らの気持ちなどクリナのセンサーには微塵も映らない。
しゃがみ込んだロボ娘は自身のプロトコルに従い、冷徹に言葉を発する。

「排気システム、起動。」

ブッ!!!ブウウウゥゥウゥウウウゥウゥゥウ!!!!!!!!!!!!!!!!
凄まじい轟音が響き渡る。
認証ポートの内部、ガス加速ユニットが唸りを上げ、圧縮ガス濃度99.9％もの微生物駆除用の気体が豪快に都市部に向かって爆発する。
人類から見れば、凄まじい大きさのロボ娘が放屁をしたようにしか見えない。
だがその規模は人類が経験したことの無い程の大災害であり、文明は一瞬にして揉み潰されてしまうだろう。

認証ポートから噴き出した薄黄色い駆除ガスは待った1.5の速度で噴出。
30秒間かけて400平方キロメートルの範囲を覆った。人類が作り上げた超高層ビルや商業施設、オフィス街に駅にアミューズメント施設がガスに接触した瞬間分子分解を開始。
ガラスが蒸発し、鉄骨が液状に溶融。コンクリートが粉末になり、地下施設や地下鉄が圧縮され渋滞の車が消し炭となって大気と同化する。
避難中だった人々はクリナの放屁音が聞こえる前に一瞬にして蒸発。自身がロボ娘の放屁で死んだことすら気付かない。

放屁の衝撃波が円形に広がっていく。無事な建物は存在せず、低層ビルや住宅地が舐め取られるようにクリナの屁の余波で横なぎに磨り潰されていく。
工場地帯が地殻ごとまくりあげられ、次々と施設が爆発。有害な物質が広範囲に巻き散らかされるが、それもすぐにクリナの駆除ガスで上書きされてしまう。

クリナの白い巨尻が、自身の排気システムの余波で少しだけ震える。彼女に見られた変化はそれだけだった。
全く変わらない表情で、無関心のように事務的に都市の中央部に向かって特大の放屁をかます。
それが微生物を駆除する方法として当然と言わんばかりに迷いなく放たれたロボ娘の屁が、大規模な街を一つ簡単に消し飛ばしてしまった。

クリナの認証ポートが閉鎖していく。
人類にとっては長い長いロボ娘のオナラがようやく静まった頃、クリナの無感情な声が響き渡る。
「認証ポート閉鎖。直径7.5㎞から4㎞に縮小。排気システム完了。対象区域、400平方キロメートル、除去率100%。周辺区域、微生物、3,000万単位喪失。正確な駆除数を算出。31,465,789匹駆除。次の座標へ移行。――密集地を捕捉。移動速度、毎時500キロメートルにて移行を開始。」
クリナの尻が上昇していく。その下には超巨大なクレーター。かつて大都市があった場所には平坦な灰色の地盤が広がっていた。
あらゆる建造物の痕跡は消滅。高熱と毒性の大気に覆われた死の世界では一切の動植物の生存が許されず、クリナの排気システムの優秀さを物語っていた。

クリナの初めての大蹂躙は全世界に衝撃を与えた。
彼女が無表情で、都市の上にしゃがんでからその真っ白い尻から爆音で放屁を轟かせる様子は連日世界中で流され、人類史始まって以来の大パニックが巻き起こっていた。
この変態的な行為で都市を蹂躙する超巨大ロボ娘は、地球上の人類を駆除するまで止まらないという。
その残り日数も蹂躙方法も、そして駆除されていく人類の数も彼女の宣言通りに進んでいき、残り数十億人となった人々は絶望しながら日々を過ごしていた。
治安は悪化し、富裕層はクリナから離れた土地へと避難。地下シェルターは溢れかえり、略奪が繰り返され人類同士の衝突が起こっていた。

そんな足元で起こっている事など、クリナにとってはセンサーに引っ掛かりもしない些細な事。
クリナが一歩踏み出すと、中規模の都市が丸ごと消し飛ぶ。
「踏み潰し完了。対象区域、70平方キロメートル、除去率99.9%。微生物6,245,387匹消失」
バリケードも軍事施設も関係ない。いくら武装した都市でも、クリナが歩くだけで全て踏み潰され、人々の儚い命は彼女のただのログとして記録されていく。

「臀部圧縮実行。」
大都市の上にクリナの巨尻が落下し、高層ビル群と人口密集地が平坦化。
120平方キロメートル、216万もの人類が共に消滅。そのまま尻をグッと突き出したクリナはゆっくりと左右に動かし周辺地域を真っ白な肌で磨り潰した後、排気システムにより後方の二つの都市を蒸発させ2,542,179人を駆除。

「舐め取り実行。」
街の上空を覆いつくすほど巨大なクリナの顔から無感情な視線が地表に注がれ、大都市を横断するように幅6キロメートル、長さ20キロメートル、面積120平方キロメートルものピンク色の舌が通過していく。
少し湿ったロボ娘の口内器官がビルや道路、家々を人間ごと絡めとり、再び口の中に戻っていく。
その一口で4,562,357匹もの駆除を行ったクリナは一切表情を変えないまま舌に張り付いた都市をごくりと飲み込み、都市の残った部分を体内に取り込むため再び地表に舌を這わせた。

宇宙から観測すれば非常にゆっくりな動きで、クリナは宣言通り人類の都市を蹂躙し続けていた。
地球から脱出出来ないレベルの科学力しか持たない人類は、そんな彼女の”お掃除”に日々おびえながら、確実にやってくる終末までの日数を数えることしか出来なかった。
クリナが歩けば地球全体に地震が巻き起こり、彼女の無感情なアナウンスが人類を追い詰める。
不運な誤発送により起こってしまった、とある惑星の終焉。
微生物と判断された人間達が必死に抵抗していたが、そんな事には微塵も興味が無いクリナは今日もプロトコルに従って動き続けるのだった。










