勇者PTが魔界に挑んだら色々桁違いだった件について　～番外編～

「うわ～ん！宝箱全部空っぽだよ～」
「今日も収穫0で皆にバカにされちゃうよ～～」
「あ！開いた！」
開錠失敗！
「ん？」
転送トラップ発動
「うわ～～～‼」

人間界：王都

大陸で一番大きい都市。
高い山脈で敵の侵略を阻み、肥沃な
魔術資源で戦力を高め、数千年に渡る
魔獣との戦争に勝利した人類軍最大
の拠点。平和な時代が訪れ、人々の
暮らしは城壁の外にも広がり、今では
100万人を超える人間が暮らしている。

「上級冒険者及び王国軍精鋭の招集完了しました！」
「これより魔界攻略会議を開始します！」
「皆の者よくぞ集まってくれた！」
「我ら人類軍は魔獣に勝利したが本当の驚異は魔界に有り」
「平均レベルが10にも満たない魔物の村へと人類軍最大戦力を一挙に転送し奴らを殲滅、魔界攻略の起点とする」
「今こそ本当の平和を取り戻そうではないか！」
「おいおい…集まった冒険者全員SS級じゃないか。更に王国軍も加わるんだろ？」
「平均レベル95ってマジかよ…魔界陥落まで一ヶ月もかからないんじゃないか？」
「ん？王国の守護竜達がなにやら騒がしいな」
「俺達の熱意が伝わって高ぶっているんだろう
魔界攻略に加わって魔物共を消し炭にしたいんじゃないか？ハハハハハ」

人間達の士気はかつて無いほど上がっていた。
一度は人類を滅亡寸前にまで追いやった魔獣
達の根絶。それからも人々は戦力を高め、ついに
魔界侵攻を計画するまでになっていた。
正体不明だった魔獣の出現条件。それらが魔界
からやってくると突き止めた人類は、平和を
脅かす敵を根本から絶とうと、王都へと集った。

王都滅亡――
突如空から落ちてきた正体不明の巨大な緑色の
物体により、数百年かけて繁栄してきた人類の都市は
一瞬でクレーターと化してしまう。そこに集まっていた
冒険者達、暮らしていた人々、王国軍らは、何が起こったかも
わからないまま地面と同化し潰れて死滅してしまっていた。

「あれ～？ここどこだろう」
「変な所に飛ばされちゃったなぁ。まあ時間が経てば効果が切れて戻れるっしょ」

ゴブリン娘が無意識に踏み出した一歩。
その一歩で人々の村が、街が、文明が一つずつ
消えていった。山脈さえ踏み潰し、雲海を
蹴散らす程巨大な魔物に、人類は反撃も逃げる
事も出来ずにただ踏み殺されていった。
その圧倒的なサイズ差に、互いに認識する事
すら出来ない。
生き物としての次元が違い過ぎる超巨大生物
の足元で、人類は確実に数を減らしていった。

「あっ！靴も装備解除されてるじゃん！」
「お気に入りだったのに～～」
「まー裸足でお散歩するのも楽しいからいっか～」

人類の安全圏にかざされる超巨大ゴブリンの
足。たくましく育った大きめの足の裏の、深く
刻まれたシワの間には人間の村や王都を踏み
潰した跡がゴミのようにこびり付いていた。
何百万人もの人間が踏み殺され、赤いシミと
してゴブリンの足裏のシワと同化してしまう。
そんな汚れきった巨大な緑色の足の裏。人類の
文明を踏みにじり、尊い命を奪っていった憎む
べき存在を人々は見上げることしか出来な
かった。

再びゴブリンの一歩によりいくつもの街が
分厚い足の裏で踏み潰されしまう。勇者達が
長い月日をかけ冒険した土地。立ち寄った村。
仲間を集め、名を挙げてきた思い出の地域が、
そこに住む人々ごと超巨大なゴブリンに適当に
踏み潰され、ゴミのように踏みにじられていく。

「おっ宝おっ宝どこだろな～♪な～んにも無いな～」

運河すら一跨ぎにした巨大な足は、対岸の街を
踏み潰して進んでいく。鼻歌を歌う彼女とは
対称的な足元の地獄絵図。泣き叫ぶ微生物達の
悲鳴など届くはずが無かった。
人間達が今まで積み上げてきた努力や文明、
それらがLv3程度の雑魚ゴブリンの散歩で
消えていく。

「う～んつまんない場所だな～」

持ち上げられた巨大な素足。
その表面に潰れた羽虫のように
こびり付いていたのは、かつて人類軍と
協力し魔獣を滅ぼした伝説のドラゴン達
だった。神々の加護によりあらゆる魔法を
受け付けず、聖剣ですら傷一つ付けられ
ない生物の頂点である竜達は今、雑魚
ゴブリンの汚らしい足裏にゴミと一緒に
へばり付いていた。
死にかけの虫の様に無様にピクピクと
痙攣するその姿は、運良く踏み潰され
なかった人々の村からよく見えた。
神々しく輝いていた彼らはもうおらず、
ゴブリンが適当に踏み出した一歩に巻き
込まれたゴミ虫がそこにはいた。

「はぁ…結局成果0かぁ」
「散歩してお腹が減っただけ…皆に何かおごってもらおっと」

ワールドマップ
ゴブリン娘の散歩により世界は大きく
姿を変えていた。大陸中に刻まれた
超巨大な足跡。その中にぺちゃんこに
張り付く街や村。蒸れた足の匂いが
大気に充満し、大陸全体がゴブリンの
体臭に侵されていた。魔獣から世界を
守ったはずの人間は、その数の40％
近くも減らす事となった。
一つの大陸の滅亡と、数え切れない程の
人々の死。それはたった一匹の雑魚ゴブ
リンの数分間の散歩によってもたらされ
たものだった。

探索結果
次のレベルに必要な経験値：5
今回の獲得経験値：０

人間達の街を何百も踏み潰し、数千万人を
その素足のシミへと変えたゴブリン娘。
何匹かの伝説級のドラゴンすら気付かずに
すり潰したというのに、獲得経験値は0⃣だった。
微生物を倒しても経験を得られないのと同じ
で、人類やドラゴンを何匹潰した所で取得
経験値は１以下である。無惨に死んでいった
彼らのかけがえのない命、それらは一匹の
雑魚ゴブリン娘の経験値になる代わりに、
足裏に張り付くゴミになったのだった。

※魔獣＝魔物娘の体表とかにいるダニ
