アルティメット✩惑星吸引



「あれ？これって…うわ～懐かし～」

宇宙を漂い、パトロールをしていた
まどかが小さな青い石ころを見つける。
それは数百億年前、彼女がまだ人間
だった頃に住んでいた惑星にそっくり
であり、その懐かしさに思わず顔を
近付けて観察するのだった。

「懐かしい匂い…♡」

その懐かしい香りに惹かれ、鼻を近付けるまどか。惑星の直径よりも巨大な2つの
空洞が、大気と共に大陸をいくつも吸い上げてしまう。たった一度の呼吸でも、
人知を超えた大きさの女神のものであれば文明さえも吸い上げてしまう。
普段は宇宙サイズで暮らしているまどかは自分の大きさをうっかりと忘れ、
ちっぽけな人類達の星を鼻息だけで危険にさらしてしまっていた。

「あっやば…ちょっと吸い込んじゃった」

「皆を助けなきゃ…」

「奥の方かな？結構深い…」

「良かった～とっさに防護魔法かけたお陰で大分助かったね✩」

まどかによる人類救出の為の鼻ほじり…。運良く
鼻腔内に溜まった鼻くそにこびり付いた大陸や島、
街などは彼女の小指の表面にほじくり出され、
純白の手袋の先っぽにへばり付いていた。
ねっとりとした女神のほかほかの鼻くそに
まぶされた大陸の彩り。まどかの魔法のおかげで、
その上でも人類は生存することが出来るのだった。

「もう少しで文明ごと私の鼻くそで滅ぼしちゃうところだったよ～」

「あっ…」

ほっとしたのも束の間、まどかはついいつものクセで
ほじった鼻くそを親指と小指の間でコネ、丸めてしまった。
一瞬の出来事だった。鼻くその表面に存在していた無数の
大陸と国や街、何十億人もの人々はまどかの指の動きにより磨り潰されてしまう。

小指の先に残ったのは丸まった直径数千km
もの女神の鼻くそだった。さっきまでそこに
あった文明は完全にまどかの巨大過ぎる鼻くそと
融合し、和えられ、同化してしまっている。
36億人もの人間も見る影も形もなく、存在自体が
まどかの鼻くそへと上書きされてしまっていた。

「ご、ごめん！これ返すね！」

「この辺で良いかな？」

惑星のまだ無事な地域にまどかの指が迫る。星から奪ってしまった
物を返そうと、指先に付着した鼻くそを地上へと押し付けるまどか。
衛星より巨大な球体が一つの大陸へと落下し、その鼻くそプレスに
より3億人が押し潰され死滅。女神の鼻くそ一つでまた国がいくつも
滅び、人類は滅亡寸前まで追いやられてしまう。

「むう…離れないなぁ」

指先に付着した鼻くそを取ろうと惑星に押し付け続けるまどか。
星の表面の地殻を巻き込みながら転がる超巨大鼻くそは、進行
方向にある島々や国をその粘着力で取り込み続けていた。
直径3,000km以上もあるまどかの鼻くそはちっぽけな列島を
磨り潰し、吸収しながら大陸を押し潰し始める。ただ女神の
鼻くその進行方向にあったというだけで滅んでいく国々。
結局まどかの一回の鼻ほじりによって一つの惑星が壊滅して
しまうのだった。
